女子サッカー、通称「なでしこジャパン」がリオ五輪出場をかけて挑んだ、アジア最終予選。
参加6チーム中、上位2チームしか五輪の切符を手に出来ない厳しい戦いで、なでしこジャパンは、3試合を終えて、2敗1分というまさかの展開となりました。
数字の上ではほんの僅かに五輪の可能性が残されているというものの、事実上リオ五輪への道は閉ざされたといって良いでしょう・・・。
最終予選前は、前回のロンドン五輪に続く2大会連続のメダルへの期待も大きかっただけに、五輪出場そのものが消えてしまうという状況に、多くのファンもショックを受けています。
完全に歯車が狂ってしまった、なでしこジャパン。
そこには、以前から懸念していた問題も少なからず絡んでいるのではないでしょうか・・・
日本サッカー低迷の元凶はバックパスにある?
かねてから懸念していた日本サッカーの問題に、「バックパス」があります。
この問題は、男女の日本代表でも明らかでした。
特に、なでしこジャパンのバックパスの多さは目立っていました。
世界的にみても、これほどバックパスを多用する国は他にはないと思います。
それを象徴するようなシーンが、なでしこジャパンにおいては、この大事なリオ五輪アジア最終予選の中国戦でもいきなり出てしまいました。
日本代表の川村選手が何気なくバックパスをすると、ボールが転がってくる場所にいた、熊谷選手と田中選手がまさかの譲り合い。
結果的に、「じゃ頂きます」と飛び込んできた中国の選手にシュートを決められ先制点を献上してしまいました。
(出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160304-00000127-nksports-socc)
本当につまらない失点でした。
しかし、日本代表戦においては、このようなバックパスを相手に奪われ決定的ピンチを迎えることは度々ありました。
それでもバックパスを多用するスタイルは変る事はありません。
確かに、確実に勝利をとりたい試合で終盤に時間稼ぎでバックパスを多用するのは見た目はどうであれ勝負に徹するという意味ではありでしょう。
しかし、日本サッカーにおけるバックパスとは、その多くがただなんとなく後ろでボールを回して相手の様子をムダにみているだけでしかありません。
もはや異常なレベルのバックパスへの意識の高さではないでしょうか?
日本のサッカー指導そのものが諸悪の根源?
日本の選手がこれだけバックパスを多用するのは、やはりそういう指導を受けていると考えるのが自然なのでしょう。
以前、日本代表の得点力不足が嘆かれていた頃に、日本のサッカー指導者は、パスを回せる中盤の選手を育てようとする傾向が強いと問題視されたことがありました。
バックパスについても同様ということなのでしょう。
後ろで様子を窺い、前に出るチャンスを見極めるようにとの指導かと・・・。
一見、理にかなっているようにみえなくもありませんが、対戦相手にとっては後ろでチョロチョロとボールを回しているような相手はさほど怖くありません。
「攻撃は最大の防御」とはよくいったもので、やはり勝負に勝つには攻撃なくしてはありえないのです。
だからこそ、なでしこにしても男子の日本代表にしても、歯がゆい場面が目立つのです。
日本のサッカーではバックパスの多さもですが、そのパススピードも問題視しなければなりません。
ともかく遅すぎます。
パススピードの遅さも、日本のサッカー指導者の問題の一つです。
相手が受け取りやすいちょうどいいボールを送る様に日本の選手は教えこまれているケースが多いのか?
それもと日本人の気質として、思いやりのパスを出しいているか?
何れにしても、このパススピードの遅さとバックパスは、一瞬でピンチを迎える条件が整っています。
パススピードについては、日本の選手の足元のボールコントロールの技術レベルも同時に上げなければならない問題ですが、ここをクリアしなければ、到底世界とは互角に戦えません。
中途半端なパスはなんの意味もないのです。
日本サッカー復活のカギはバックパス禁止
(出典:https://www.legendsstadium.com/news/nadeshiko/20091/)
今回のなでしこジャパンの低迷をみるまでもなく、日本の選手の意識を変える為には、もはや「バックパス禁止令」を出すしかないでしょう。
体に染み付いた意識はそう簡単に取れるものではありません。
バックパス禁止くらいで丁度いいように思います。
かつて、ハリルホジッチ監督が、日本の選手のバックパスの多さを嘆いていたことからも、明らかに特殊なサッカースタイルであり、それでは世界では恐れられる存在にはなれないということです。
近年、アジア各国のレベルが着実に上がる中、日本だけが時が止まっているようです。
バックパスとユルすぎるパススピードの改善。
今の日本サッカーが真っ先に着手すべき大きな問題なのではないでしょうか・・・。