難敵のオーストラリアをホームで下したハリルジャパン。
無事、2018年のW杯ロシア大会への出場を決め、一安心という状況の中行われたアウエーのサウジアラビア戦。
苦手の中東で、猛暑とオーストラリアの期待を浴びる中、1対0で敗戦した日本代表。
サウジアラビアにとってはめでたい試合となりましたが、日本代表は監督含め「消化試合感」が出てしまったようにな気がします。
そんな中でやはり注目されたのは、本田圭佑。
前所属チーム『ACミラン』では出場機会に恵まれず、代表では若手からの突き上げなどもあり、「日本代表不要論」が巻き起こっています。
それでもハリルホジッチ監督は全面的な信頼を寄せている姿勢を強調していますが、大一番のオーストラリア戦では本田を起用することはありませんでした。
怪我の影響などもあり、そもそも今回は代表メンバー入りが厳しいとされていましたが、代表招集前に復帰しメキシコデビュー戦でゴールを決めたこともあり、ハリルホジッチも呼ぶ理由ができた格好でした。
しかし、実際に本田圭佑を目の前にして厳しいと判断したからこそのオーストラリア戦での起用を見送ったのでしょう。
そんな状況の中で行われたサウジアラビア戦。
個人的には、ロシアへ本田圭佑を連れて行くべきか否かを判断する試合だったと思っていました。
見せ場を作れなかった本田、世代交代はさけられない
(出典:https://sportiva.shueisha.co.jp/)
消化試合とはいえ、これだけ圧倒的アウエーでの試合は選手にとっては貴重な経験を積む良い機会です。
対戦相手のサウジアラビアにとってはW杯出場を掴むための大一番。
日本代表にとっては、強化試合として有意義なものにしたいところでしたが、ほとんど何もできないまま終わったと言っても差し支えないゲームでした。
ハリルホジッチ監督は、予想通り本田や岡崎をスタメンで起用。
しかしどちらも見せ場と呼べる場面は皆無。。。
特に本田は攻撃において存在感を示すことはまったくできず、スピードもキレもないのが明らかでした。
本人はコンディション良好と口にしていたはずですが、試合では感じられないまま前半でお役御免に。
試合後にハリルホジッチは、本田の起用について「前半限定」であったことを告白しました。
それも含めて、改めて日本代表の世代交代が進行していると実感。
着実に力をつけ結果を出す若手を目の前にしたら、W杯本大会に向けて世代交代の加速はさけられないのは現実ではあります。
ちなみに、この一戦のテレビ中継で解説していた方々は、「本田のところでタメが作れる」とフォローしていたようですが、こういうOBの発言は日本代表強化においてはマイナスでしかありません。
プレースピードが遅く攻撃への切り替えがうまくできないことを「タメ」と表現するのは無理があります。
こうしてみると、もはや日本国内で代表チームを客観的に語れるのはセルジオ越後氏しかいないのかも。
ハリルホジッチ監督にとっても、本田圭佑をチームの中心とすべきかどうかを最終判断をするための試合となったのではないでしょうか?
もしこれでも本田は必要というのであれば、目に見えない様々な力がハリルジャパンに働いていると言われても仕方ないです・・・。
日本に限らず、サッカーの代表チームの選手選考には選手の実力や監督の戦術以外にもっと大きなものが存在しているのが実情とは言え、いい加減、世界で戦える日本サッカー作りを最優先してほしいと願わずには入られません。苦笑
サウジ戦は本田圭佑へハリルからの最終メッセージ?
(出典:http://ironna.jp/article/4490)
ハリルホジッチはサウジ戦のキャプテンに本田圭佑を指名。
スタメン起用のみならず、長谷部不在も踏まえ本田にそのポジションを任せました。
しかし、チームを引っ張るどころか自身のパフォーマンスも低調で前半でお役御免。
いくら消化試合とは言え、長谷部の代役キャプテンが吉田でなく本田なのか?
今の本田では求心力は低いとしか思えず、本人の試合感も不安視されているにもです。
これはあくまで想像ですが、ハリルホジッチとしては、本田圭佑が本当にまだ代表チームに必要なカードと考えているからこそ任せた可能性。(ハッパをかける意味)
そして、個人的にはこっちだと思うのが、キャプテンを任せてスタメン起用することで、結果が伴わない場合は自ら引き際を判断してほしいというメッセージです。
そこについては前者よりも明らかに後者の方に思えてなりません。
このあたりは、長年の功績を踏まえたハリルホジッチが、監督権限で代表から外すのではなく、本田圭佑自らが「代表引退」を口にできるような道をつけたのではないかと。
それくらい今の本田は厳しいのです。
本田が代表に残るとしたら助監督的な立ち位置?
(出典:https://sportiva.shueisha.co.jp/)
長年に渡って日本代表の中心としてチームを引っ張ってきた本田圭佑。
本人のプライドなどもあり、ずるずるとここまできた感じすらしていますが、全盛期のパフォーマンスとは程遠く、今後大きな期待ができないのはもはや明らかです。
それならば、本大会に向けて経験を積ませたい若手がたくさんいるはず。
確かに、厳しい戦いにおいてベテランの力は意味をもちます。
それでも、残すベテランと切るベテランがどうしても出てくるのが勝負の世界。
残すベテランが長谷部や吉田、川島といったとこであるばらば、本田は切るベテランと言わざる得ません。
あれだけ個性が強く、オレ流を貫く選手は時としてチームバランスを崩すものです。
良い時は全体の底上げに繋がりますが、力が落ちると、ただの気を使わなければならない先輩になってしまうのです・・・。
サウジ戦でも、久しぶりの代表選となった柴崎岳がどこか本田に気を使っているようにも思えました。
この状況はハリルジャパンにとっては喜ばしいことではありません。
今の状況では、どの角度から見ても本田圭佑は外すしかないと言えると思います。
しかし唯一、本田圭佑を日本代表に残す理由を作るのであれば、登録上は選手ながら、ベンチで助監督的な存在にすることかもしれません。
常々、マスコミの前で選手らしからぬ発言を行なってい本田圭佑の姿は、まるでハリルホジッチをも指導しかねない勢いでした。
選手として高いパフォーマンスを維持できていれば、その発言も説得力を生むのですが、現状ではそれも無理でしょう。
ならば、これまでの経験を生かしてベンチでハリルホジッチの助監督的な役割なら果たせるのではないかと。
かなり強引な代表残留方法ですが、W杯に向けて世代交代を推し進める以上、ハリルジャパンが本田圭佑にどうしてもこだわるのであれば、それくらいしかポジションはないのが実情なのです。
オーストラリア戦でも度々ベンチから何か口にしている姿が映し出され、判定を巡ってハリルホジッチが審判に激怒した際にも、ベンチを飛び出して監督と同じくらいエキサイトしている姿は印象的でした。
案外、このポジションの方が面白いように思えてなりません。
ただ、そのために限られた代表選手の枠を使うことに賛否はあると思いますが、いつの時代も「精神的支柱」のような存在は必要。
タイプ的に向いていないのかもしれませんが、本田に限らずこういう役回りを引き受けてくれるベテラン選手というのは監督にとっては重宝するものです。
果たして、本田圭佑は今なにを思っているのでしょう。
一つだけ言えるのは、いつまでもハリルホジッチや協会、そしてスポンサーが、長期的に結果が伴わない選手を「経験」という言葉を隠れみのにしていては、ロシア大会もこれまで同様にお寒い結果に終わる可能性が高いということです。