2018年ワールドカップ ロシア大会出場をグループ最大の難敵であるオーストラリアからの勝利でたぐり寄せたハリルホッッジ監督率いる日本代表。
引き分け。もしくは敗戦の場合は過酷なプレーオフに回らなければならない可能性が高かっただけに、試合結果次第では更迭されてもおかしくなかったハリルホッッジも選手も、そして何よりサポーターは安堵しました。
ここからがロシアでの本大会に向けて、日本代表メンバーを固めていき戦術をさらに浸透させていく必要がある中、ハリルホジッチの解任の可能性は消えていない気配です。
通常、ワールドカップ出場を決めたのならば、よほどのことがない限りこのタイミングで監督を代えるというのは中々ないケースです。
確かに、ハリルホッッジ監督がオーストラリア戦後に身内の悲しい出来事に心を痛めており一時的に離脱する発言はありましたがこれをもって、本大会で指揮をとるのは無理とまでなるのものなのか?
ロシア大会まで1年を切る中、日本代表にはまだまだ難問が待ち受けている気配です。
そんなハリルホッッジ監督の後任として名前が挙がっていいるのが、「八百長疑惑」で解任された前任の、ハビエル・アギーレなのです。
ハリルよりアギーレがベストな監督?
(出典:http://www.goal.com/jp)
真剣勝負の世界においてあってはならない「八百長」というダークな問題をきっかけに解任されたハビエル・アギーレのが日本代表監督に復帰する。
そのような人事があるえるのでしょうか?
日本サッカー協会の関係者の話によると、頑固一徹でプライドの高いハリルホジッチ監督の戦術は、攻守のスピードの切り替えの早さをはもちろんですが、1対1での強さを選手に強く求めます。
身体能力が高いアフリカや欧州の選手ならば可能な「個の強さ」は、フィジカルが決して強くない日本人には向いていないと見ているようです。
日本サッカーの基本スタイルである「パスサッカー」で、あくまでチーム力で勝負するのが望ましいと。
ハビエル・アギーレは、日本という島国への理解力があり、その特性を最優先する姿勢を日本代表を率いていた際には見せていたとし、協会内ではハリルホジッチよりも高い評価を得ていたと。
ただ、ワールドカップ本大会まで1年を切り世代交代がようやく身を結び始める中、ハリルホジッチ監督が自ら退任の意向を示すならば致し方ありませんが、そうでもなければこのタイミングで「八百長疑惑」の不安を抱える前任者を呼び戻すリスクを考えないのは協会に問題があると批判を浴びるのではないでしょうか。
うがった見方をすれば、ハビエル・アギーレはその前任である、ザッケーローニが作り上げたチームをほぼそのまま継承し日本代表を率いた監督でした。
本大会までの残り時間を考えると、ベースはそのままに、なおかつ協会やスポンサー関係の意に沿った行動を取れる監督と言っても差し支えないのは確かです・・・。
しかし、そんなご都合主義の人事で良いのでしょうか?
兼ねてから日本サッカー協会のやり方には疑問だらけというのが正直なところですが、本番前の大事な時期に協会は暴走してしまうのでしょうか。
誰がベストな監督かの前に協会運営にベストな人員を
個人的には、これまでの日本代表の歴史において明らかに問題がありすぎるのは監督よりもサッカー協会だと考えています。
誰がサッカー日本代表にベストな監督なのかを吟味するよりも、協会の人員を一掃してしまうほうが日本サッカーの発展につながると思うくらい問題が多すぎます。
過去のワールドカップでは、グループリーグで惨敗すれば、批判をさけるために次期監督の情報を迅速にリークするなど、矛先を変える方法で自らの説明責任を協会は怠ってきました。
明らかに馴れ合いの人事や天下りの温床的な組織なだけに、本来の目的である日本サッカーの強化や発展は二の次で、目先のマネーに固執しているようにすら思えます。
兼ねてから危惧している、代表の強化試合を欧州や南米の強豪国と滅多に組めない問題もそうです。
遠く離れたアジアの島国に、コンディションを大きく崩す可能性が高いにもかかわらず来日してくれるケースはレアなのは当然です。
ならば、こちらから乗り込めんで試合を組めるように交渉を進めれば良いのですが、それではチケットやグッズの売り上げが望めなくなります。
スポンサーの中には、日本で代表戦を行はなければ旨味が少ないと考える企業もあるでしょう。
日本代表戦といえば、Jリーグとは違ったブランド価値があるコンテンツです。
協会とすれば、自国で試合を組んで収益を上げる、スポンサーからお金を引き出すことの方が優先順位が高いとしてもおかしくはありません。
しかし、同格もしくは格下で、さらに時差ボケの残る相手と戦って勝利したところでなんの意味があるのでしょう・・・。
これでは、世界と戦うための経験値を積むことすらできません。
前回のブラジル大会での惨敗がいい例です。(これは何度でも言わせてもらいます)
厳しい戦いの中で選手が成長し学ぶのはサッカーに興味がなくてもわかることです。
それくらい日本と世界の強豪ではとてつもなく大きな差がまだまだあるのです。
日本代表が一つのビッグビジネスである以上、様々なしがらみがあるのは一気に変えていけないのは確かです。
何をするにも結局はお金が必要である以上それは避けられません。
それでも、大きな大義であるはずの「日本サッカーの強化」というところが重要視されるような協会運営を望みたいところです。
現在の協会メンバーでそれが不可能であれば、一度リセットすることも必要な選択肢なのではないでしょうか。
そういった意味でも、2018年のワールドカップ ロシア大会までの日本代表を取り巻く環境と、本大会の結果にはさらに注目というのが今の気持ちです。