リーガエスパニョーラの2016-2017シーズンもいよいよ終盤戦となり、4月23日には天王山となるレアル対バルサの「エル・クラシコ」も控える中、首位に立つレアルが大ピンチを迎えています。
消化試合数がバルセロナより1試合少ないレアルは、勝ち点75で首位には立っていますが、バルサとの差はわずか勝ち点3。
1試合多く残しているため、そのゲームにレアルが勝つと想定すれば勝ち点差は6とも取れますが、もしバルサとの直接対決で敗れるようなことがあると、レアルのリーガ制覇は一気に厳しくなる可能性があります。
何と言っても、センターバックのヴァランの怪我での離脱に続き、味方との接触プレーでぺぺが骨折しまさかの離脱。
セルヒオ・ラモスと組めるのは、ナチョだけという緊急時代に陥っています。
そんな中行われた、リーガ第32節のアウエーゲーム、降格圏内にあるスポルティング・ヒホンとの一戦では、シーソーゲームを辛くも制したレアル。
CLのバイエルン戦、そしてクラシコと続く茨の道の前に、一瞬でもジダン監督は安堵したのかもしれません。
しかしこの状況は、どうしてもかつてレアルを率いたアンチェロッティとダブってしまうのです。
メンバー固定の弊害?終盤に失速するレアルは同じ轍を踏むのか?
(出典:http://sportiva-new.mediagalaxy.ne.jp/)
アンチェロッティ時代と同様に、メンバーをほぼ固定する傾向が見て取れるジダン監督。
その影響を受けて、マドリスタ達が最も愛する選手であるイスコや、コロンビア代表のスター、ハメス・ロドリゲス、そしてユベントスで大活躍し古巣へ復帰したモラタなどが控えに甘んじている状態です。
メンバー選考の難しさはスター軍団ならではの悩みとも言えますが、勝ち続けることで、メンバーの固定化が進む様子は、主力選手の疲労や怪我が終盤に続出し、優勝を逃してしまったアンチェロッティ政権をどうしても思い出してしまいます。
まさにその不安を象徴するゲームとなったのが、降格圏内にあるヒホンとの一戦でした。
その後に控えるバイエルンとバルセロナとのゲームを踏まえ、ターンオーバーで主力のほとんどを休ませたヒホン戦では、ボールポポゼッションも高く、攻撃的でありながらも、どこかちぐはぐで相手に与えるプレッシャーもそれほど大きく見えませんでした。
ルーカス・バスケスなど複数の選手は、勝敗よりもアピールが優先にも思えるプレーが目立ち、攻守のバランスを欠いてしまう場面も少なくありませんでした。
後半途中で交代を命じられたルーカス・バスケスが引き上げる際に怒りの表情を見せたのは、印象的でした。
首位に立つスター軍団にしてはあまりにもお粗末なゲームに見えた試合でした。
シーズンを通していくつかのメンバー構成でゲームを作れる状況にするのがジダン監督も下手なのだと思います。
就任当初に良い結果が得られなかったこと、その後の上昇により動けなくなったとも言えなくないのかもしれませんが・・・。
イスコの際立つ存在感!マドリスタのフラストレーションにジダンは何を思う?
(出典:http://number.bunshun.jp/articles/-/827845)
そんな中、格下とはいえ重要な試合で勝ち点3を引き寄せたイスコの活躍。
イスコショーとも言える圧巻のドリブルとフィジカル、そして運動量。
2ゴールでチームを救ったその姿をジダン監督はどうみたのでしょう?
マドリスタ達はさらにイスコへの愛が深まったゲームだったかもしれません。
バイエルン戦、そして続くバルセロナ戦。
イスコがどれだけ光輝こうとも、おそらくジダン監督はいつものメンバーで挑むと思われます。
不安視されるセンターバックの穴を埋めるだけの攻撃的サッカーで勝利を手にできるのか注目ですね。
しかし、ターンオーバーという意味では、バルセロナの方が遥かに上手いように思えるのは気のせいでしょうか?
このあたりは、チーム戦術と個の主張とのバランスの取り方がバルサの方が意識付けがしっかりできているのかもしれませんね。
そういえば、レアルの前任監督のベニテスは、そのあたりを踏まえてスタメンを固定せず、ターンオーバー制をしっかり敷きたい意図が就任当初から見えました。
ただ、その方針や選手との軋轢などもあり思うような絵は描けなかったのは記憶に新しいところ。
そのため結果も出ませんでした・・・。
結果がすべての世界とはいえ、銭ゲバFIFAの影響で過酷な1年を送る欧州サッカー界においては、ターンオーバーを上手く取り入れられるか否かは、クラブの成功に欠かせないものによりなっていくのだとは思いますね。
果たしてジダンはアンチェロッティと同い道をたどるのか?注目です。