スペイン一部リーグのラスパルマスへの移籍が秒読みと見られていた鹿島アントラーズの柴崎岳でしたが、欧州の冬期移籍史上閉幕の前日に破談となり、アントラーズ残留の可能性が高まったと思われましたが、締め切り間際に、同じくスペインのテネリフェへの移籍が成立しました。
まさに、急転直下の展開ですが、ラスパルマスと違いテネリフェは二部リーグのチームということで、欧州最強リーグでのデビューはお預けとなった格好です。
アントラーズとの契約更新の上で、シーズンオフに再度移籍交渉を勧める事も可能でありながら、あえて二部リーグでも移籍を決めた柴崎岳。
そこには、彼自身がどうしてもスペインでサッカーをやりたかったという思いが強く、日本に戻るつもりはない覚悟でマドリード入りし交渉の行く末を見守っていたようです。
ただ、テネリフェとの契約は、2017年6月までという、あくまで今シーズンに限定されたものになっています。
異国の地であり、多くの日本人が苦汁をなめてきたスペインで、わずか半年で柴崎岳がどこまでチームにフィットし信頼を勝ち得るのか?
非常に厳しい戦いが予想されますが、幸いと言ってよいのか、テネリフェは現在リーグで6位につけており、一部昇格のかかったプレーオフの圏内(3位から6位)にあります。
短き期間ながら、チームでチャンスを手にし一部昇格へ貢献とでもなれば、契約延長の目もあるかもしれませんし、多のクラブからの誘いも期待できるところかもしれません。
柴崎岳がスペインサッカーにどれだけ順応できるか注目です。
移籍叶わずマリノス残留となった斎藤学の立ち位置
対して、欧州移籍を希望し横浜F・マリノスを退団することが決定的と見られていた斎藤学は、条件面などで交渉が難航し、今冬の欧州移籍は消滅しました。
これにより、マリノスへの残留が濃厚となりましたが、チームの柱である中村俊輔の移籍やクラブ側の契約交渉などの不手際もあり、大幅にチームが様変わりする気配のマリノスで、果たして居場所があるのか懸念されるところです。
一見すると、クラブにとっては戦力ダウンを免れたようにも見えますが、欧州移籍を希望し退団が濃厚とされていた斎藤学が残ることは必ずしも良い影響とな言えない面もあります。
そもそも、斎藤学については欧州から全くオファーがなかった訳ではなく、ドイツ二部リーグやオランダ、ベルギーといったところからは興味を示すクラブが複数あったとされています。
しかし、斎藤学にとっては必ずしも希望する条件を満たしていたとは言えなかったようで、今冬の移籍は見送った格好です。
しかし、当然のことながら夏の移籍を視野に入れていることは間違いないところでしょう。
そうなると、マリノス残留となれば、半年程度の腰掛け状態と見られても致し方ありません。
それが体制が大きく変わるチームにおいてどう影響するのか?
本人はもとより、クラブにとってもチームメイトにとっても複雑な状況なのかもしれません。
それでも両者の明暗クッキリとは言えない?
こうして見ると、ギリギリで欧州移籍を決めた柴崎岳と移籍が消滅した斎藤学では明暗が別れた様にも見えますが、実際のところは一部リーグのラスパルマスへの移籍が土壇場で流れた柴崎岳にとっては、今更残留とはいかない思いも強かったのでないかと思われます。
だからこそ、二部リーグで、しかも半年の契約という厳しい条件でも欧州で勝負する事を選択したのかもしれません。
出ても厳しい、残っても厳しいのはプロの世界なので当たり前かもしれまえんが、今後の日本代表を背負って立つ存在と期待される柴崎岳と斎藤学でしたが、結果は真逆でも明暗クッキリとは言えないもどかしい状況と思わざるえません。
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