2018年に開催される、サッカーのワールドカップロシア大会のアジア2次予選が終わりました。
終わってみれば、負けなし失点なしのグループトップで最終予選へと進出した日本代表。
最終戦のシリアとの試合も5得点と快勝ムードになっているところかもしれませんが、当然のことながら、最終予選ではこんな戦いにはまずならないことでしょう。
幸いといってよいのか、宿敵韓国とは、ランキングの関係で、両国とも第2ポットになることが確実な情勢です。
これにより、最終予選で日韓戦は実現しないこととなりました。
1998年のW杯アジア予選以降、ワールドカップの予選では実現していない日韓対決は、今大会の予選でも消滅しました。
まあ、個人的にも勝ち負け以上にストレスのたまる日韓戦は、どうせなら無い方がいいので、これはこれで好材料でしょう(汗)
しかし、よろこんでばかりいられないのが、日本代表の現状です。
気がつけば、代表メンバーの主力は前回のブラジル大会とあまり変っていないのが実情です。
年齢的なことを踏まえても、心ともない感じがするのは否めません。
ハリルホジッチ監督なら、若手を発掘し、代表の新たな戦力なるような眼力があるかと思いましたが、気がつけば「ザックジャパン」に毛が生えたような感じになりました。
このあたりは、監督だけの責任ではなく、選手自体のレベルや、サッカー協会の意向など反映された日本代表ということだと思います・・・。
近年、アジアの各国が着実にレベルアップを図る中、どこか日本だけ停滞しているようにも見えるのですが気のせいでしょうか?
そんな不安もあって、2次予選とは違い、強豪ぞろいの最終予選で、日本がワールドカップへの切符を手にするのはここ数大会と比べてもかなり険しい道のりと言わざるえないような気がしています。
そこには、決定力不足以上にある意味深刻な問題が日本代表の選手のはあるように思えるからです。
思いやりのあるパスが多すぎて決定的なピンチを招きそう・・・
日本代表と言えば、個人的にかねてからの懸念としてバックパスの多さがあります。
これは、女子の「なでしこジャパン」にも共通していることで、どうみてもムダなバックパスが度々出されているように見えます。
やっぱり対戦相手にとってみれば、後ろでボールを回している相手はそれほど怖く無いです。
そこから、驚異的なスピードでカウンターを仕掛けるだけのスピードがあればまだしも、日本代表にはそこまでの威圧感はありません・・・。
そうなると、相手にとっては一息つける瞬間になってしまいます。
結果的に、「攻めあぐねている日本代表」みたいな感じに見えてしまいます。
そして、本当に怖いのは、バックパスよりも、そのパススピードの遅さです。
攻撃時に時折早いパス回しが出るときもない訳ではありませんが、日本の選手は、基本的に「受け手優しいパス」という考えが染み付いているように思えます。
スムーズにトラップできるように、フワッと出して上げる、足元にきちんと収まる様にボールスピードを調節してあげる。
こんな感じです。
しかしそれでは世界の強豪を相手にしたとき、プレッシャーをかけることが少なくなります。
対応が間に合ってしまうということです。
なんだかんだいっても、相手の裏を突く動きなどを仕掛ける時には、スピードは重要です。
でも、パススピードに合わせて動いてしまうと、相手のマークも振り切れなくなります。
結果、横パスやバックパスも多くなり、そこを横取りされてカウンターで冷や汗。
日本代表の試合では、頻繁に見かける光景です。。。
このあたりは、かつて日本代表を牽引した、中田英寿氏のパスの質をどうしても振り返ってしまいます。
当時の代表メンバーやマスコミは、「ヒデのパスは早すぎる」とか、色々と難癖を付けられたこともありました。
ショートパスでも、かなり早いボールを蹴ることも多く、受け手の選手がトラップミスをする姿も少なくありませんでした。
このため、中田英寿氏が浮いたような存在となることに拍車をかけた部分もあったかもしれません。
でも、これこそが中田英寿という選手が、世界に通用するスピードで常日頃から戦う事を意識していたことの現れの一つです。
サッカー史上最高プレイヤー 中田英寿 プレー集 HIDETOSHI NAKATA
緩急とは、早さがあって、緩やかさが生きてくるのです。
緩やかなだけでは緩急はつけれません(当たり前ですが)
早いスピードでの大きなサイドチェンジや、裏を取りにいく選手に出すパスなど、スピードが早ければ、相手がついていけなくなることが増えるのは明白です。
常に世界を意識して、高いレベルに順応することを怠らなかった中田英寿氏。
日本代表でどこか孤立していたのも頷けます。
しかし、すべての選手がそういう意識をもってプレーすれば、チームそのものの躍動感も変わり、対戦相手の脅威にもなります。
ハリルホジッチ監督なら、そういう方向に導いてくれるのではないかと期待していますが、果たしてどうなるのでしょう・・・。
日本人離れした圧倒的なフィジカルに目が集まりがちでしたが、走るスピードは他にもっと早い選手がいくらでもいましたが、プレースピードで彼を超える選手は当時の日本代表にはいませんでした。
あれから、日本の選手のレベルは全体的は底上げされているはずなので、中田英寿を超えるような選手が複数登場してもおかしくないのですが、日本サッカーの体質的なところがそれを許さないのかもしれませんね。
果たして、ロシアへの切符を手にするための、アジア最終予選で日本代表がどのような戦い方を見せるのか?
少なくとも、まったりとしたユルい横パスやバックパスを多用しようものなら、寝首をかかれてロシアへの道が閉ざされることは明白です。
ここは、ハリルホジッチ監督に期待して、選手の意識改革を押し進めて、戦う集団へと本当の意味で変貌を遂げてほしいと願います。