勝つべき試合で勝ち点3を落としたハリルジャパンへメディアの甘い報道はデメリット

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6大会連続のワールドカップ出場をかけてイラクとの試合に挑んだサッカーのハリルジャパン。

前半に大迫のゴールで先制しながらも後半にミスから失点し同点で試合を終え、勝ち点1を手にし、グループ首位は維持しました。

8月末に行われるホームでのオーストラリアとの一戦で勝利すれば6度目のワールドカップ出場が決まることなります。

と聞けば、なんだか良かったことのような感じに聞こえてきますが、果たしてそうでしょうか。

最終予選の残り2試合が死闘となる可能性が高まってしまっただけのように思えてなりません。

多くのマスコミは、「勝ち点1を取ってW杯に大手だ!」といった感じで報道をすることになるのですが、改めてその姿勢こそが今の日本代表の弱体化へと繋がっているように思えてなりません。

立ち位置に関係なく良くやった空気にするメディアの功罪

以前から日本の主要メディアの報道多くは、日本代表が負けた時に厳しい記事を書き立てるようなことは滅多にありません。

惜しい、次に期待といった論調が目立ちます。

結果ファンも、ドンマイドンマイという空気に包まれます。

このようなケースは、世界的に見ても稀な状況と言えます。

特にサッカーの場合は顕著ですが、国を代表するチームが不甲斐ない試合をすれば、多くの国ではこれでもかと批判的な報道が出ることも少なくありません。

日本人らしいと言ってしまえばそれまでですが、厳しい空気が選手や代表関係者に届かないのも事実です。

サッカー解説者を名乗る元日本代表選手たちも、気を使っているのが明白で、不甲斐ない試合だったとしても滅多なことでは試合後に厳しい意見を口にはしません。

唯一、試合中でも試合後でもそれを行えるのは、セルジオ越後氏くらいでしょう。

メディアもファンも優しく包み込むような状況が、国を代表する選手たちの緊張感をどこか削ぎ落としているように思えてなりません。

不甲斐ない試合をすれば、厳しい意見や報道が出てしかるべきで、結果的に選手は自身の立場を改めて理解し緊張感を高めて挑み同じ轍は踏まないようにしていくはずです。

最終予選が大詰めになってから、ハリルホジッチ監督がメンバーの入れ替えを大胆に行なっているのもその表れのようにも思えます。

日本代表という場所は、「呼ばれて当たり前」ではありません。

誰とは言いませんが、過去にも現在でも、自分は代表チームに呼ばれるという前提でW杯出場を語る選手がいますが、そういう状況を作っているのも、メディアでありファンである事を考えなければならいのではないでしょうか。

大きな目標を失ったイラクに中立国で引き分けに持ち込まれた現実

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(出典:https://mainichi.jp/articles/20170602/hrc/00m/050/001000d)

今回のイラク戦に話を戻すと、日本代表は勝利して勝ち点3を積み上げれば頭一つ抜きでることになり、三つ巴となったオーストラリアとサウジアラビアとの対戦を優位に持ち込むことができました。

対戦するイラクは、すでにワールドカップ出場が消滅している相手。

しかも、国内情勢の影響もあり中立国での開催(イラン)となり、観客も決して多くなく、完全アウエーとは言い難い中です。

そのような恵まれた状況の中、前半の早い段階で先制点を奪いながら後半に連携ミスから失点。

まさに日本の悪い時を象徴するような形で引き分けに持ち込まれました。

猛暑やけが人続出という負の要素はあったとしても、勝ち切れた相手であることは間違いありません。

これが次に対戦するオーストラリアであれば、死に物狂いで勝ち点3を取りに来ていたことでしょう。

それができないのが今の日本代表と言ってしまえばそれまでですが、この引き分けが喜ばしいものでないことは確かです。

親善試合とはまるで違う、ワールドカップの予選というガチンコ勝負の怖さを選手たちは肝に命じてほしいものです。

それでも前に進んだのは事実

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(出典:https://mainichi.jp/articles/20170614/k00/00m/050/104000c)

あまりにも痛いイラク戦の引き分けではありましたが、ワールドカップ出場へ前進したことには変わりありません。

反省はしなければなりませんが悲観する必要まではありません。

幸いにも次戦となるオーストラアリア戦は8月末になるので、気落ちを切り替えるには十分な時間と言えます。

海外組はシーズン開幕に向けて休暇と調整を行い、いつ呼ばれても良い状態に仕上げることは可能でしょう。

欧州では新しいシーズンが始まる時期で、その時期にクラブを離れるのは複雑なタイミングではありますが、コンデイションをあげてきてくれることを期待したいところです。

見方を変えれば、6大会連続のワールドカップ出場をホームで迎えるチャンスです。

8月31日のオーストラリア戦では、どうか死に物狂いで重要な切符を手にする日本代表を見たいものです。

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