日本時間の7月2日(木)の朝に行われた、女子サッカーのW杯、準決勝の日本対イングランド戦。
なでしこジャパンが、相手選手のオウンゴールという予想だにしなかった形で後半アディショナルタイムに勝負が決しました。
オウンゴールを決めてしまった、イングランドのローラ・バセットは不運としか言いようがありませんが、それもまた勝負であり時の運ということなのかもしれません。
そんな激闘を繰り広げた、なでしこジャパンとイングランドの試合。
この試合では、2つのPKによる得点が両チームにありましたが、日本の大儀見が取られたファールの判定については、明らかに疑問を感じずにはいられませんでした。
同様に、もう一つの準決勝、アメリカ対ドイツでもPK判定を巡って物議を醸しています。
2つのPKは誤審?試合の優劣を決める判定に物議
今回のなでしことイングランドの一戦では、日本がPKで先制し、イングランドもPKによる得点で同点になるという展開でした。
日本の得たPKは、明らかに後ろから押されたことによるものでしたので、特にい異論はないのですが、なでしこの大儀見がペナルティエリア内で取られたファールは、どうみてもミスジャッジと言わざる得ないでしょう。
判定では、大儀見が相手選手に手をかけたとされていますが、実際は、手をかけるどころか、触れるか触れないかくらいの感じで、その瞬間に相手選手が大げさに倒れるのがハッキリ見て取れます。
いわば、「故意のシミュレーション」というやつです。
本来ならば、倒れたイングランドの選手がイエローカードをもらってもおかしくない場面でしたが、判定はPKでした。
これについて、大儀見は特段異議を唱えることはありませんでしたが、このあたりは男子との違いなのかもしれません。
だって・・・なでしこですから。
一方、もう一つの準決勝の試合、アメリカ対ドイツでも、アメリカが獲得したPKが、ファウルがあったのは、ペナルティエリアの外だったとして物議を醸しています。
ペナルティエリア内でのファウルはPKが与えられるため、そのまま得点に繋がる事が多く、試合そのものを決定づける事も少なくありません。
これらの判定を始め、今回のワールドカップでは、審判の技術レベルについても議論が必要なようにも思えるのですが・・・。
女子サッカーは審判のレベルも発展途上?
これまで女子サッカーと言えば、男子に比べ、規模や選手の技術的レベルなども含め、マイナーな存在と言わざる得ませんでした。
サッカーという競技で、日本が世界の頂点に立ち、ブラジルが優勝候補にならず、オランダが、今回のワールドカップが初出場という状況が、それらを如実に物語っているのは明らかです。
日本でのなでしこリーグは、今でこそ世間の認知もされ、それ相応に観客も入り、代表のゲームでは、スタジアムが満員になることも珍しくありません。
しかし、前回、2011年のワールドカップで、なでしこジャパンの優勝があってこその今です。
それまで、観客席はガラガラで、代表のゲームでも空席が目立ち、テレビなどのメディアでの報道も小さなものでした。
同様に、世界的にみても女子サッカーはメジャーな存在となっているのは、少数の国だと言えます。
それでも、年々女子サッカーの認知度も上がり、今回のワールドカップでは、これまでの16ヶ国から24ヶ国に参加国を増やしています。
男子サッカーがそうであったように、女子サッカーも着実にその存在を拡大していっていると言えるのでしょう。
それに伴い、女性の審判も以前に比べると増えてはいるものの、その技術的なレベルや体力的な問題など、まだまだ超えなければいけない壁が高いように思えます。
今回のワールドカップでも、ファールとは思えない場面で笛が吹かれるかと思えば、明らかにファールが流されるケースも目立ちます。
そもそも、選手たちはファールが取られにくいことは感じているのではないでしょうか?
男子サッカーに比べると、一つ一つのファールに対して選手が異論を唱えたり、感情を出すことが少ない女子サッカー。
男子と女子の違いはあれど、このあたりの試合中の選手達の反応もまた発展途上なのかもしれません。
レフェリーは時として、試合を作る役割も果たす存在です。
一つのジャッジが試合を盛り上げることも壊すこともあるのがサッカー。
FIFAは、女子審判のレベル向上のための土壌もしっかり構築する必要があるのだと思います。
女子選手のレベルが上がる事に合わせて、審判のレベルも上げなければ、女子サッカーの地位向上にも繋がってはいきませんので、そういった意味でも今回のワールドカップは、レフェリングという面でも大きな課題が見えたのではないでしょうか・・・。
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