Jリーグでの2ステージ制が再開された今シーズン。
6月20日のゲーム、第16節の浦和レッズ対ヴィッセル神戸戦で、浦和が史上初となる無敗のままでのファーストステージでの優勝を決めました。
浦和レッズは、開幕からの連続無敗記録を16に更新し、まさに完全優勝となりますが、あくまでのファーストステージでのお話です。
しかも、長い闘いを勝ち抜いてではなく、20試合にも満たない試合数での優勝という状態であり、次のセカンドステージで、他チームが優勝した場合、そして、そこに年間勝ち点の上位3チームが加わるのです。
重複した場合を除けば、最大で5チームによって、年間王者の座をを争う訳です。
正直なところ、今後の闘いを考えれば、ただのぬか喜びでしかない浦和の優勝。
選手にとっても複雑な心境というのが本音なのではないでしょうか・・・。
Jリーグ実行委員会のご都合主義!複雑すぎて新規客獲得は困難?
そもそも、2015年からの2ステージ制を復活させる目的は、新規顧客獲得を主とした観客動員の増加です。
プロ野球のクライマックスシリーズの一定の成功を受けて、2ステージ制を復活強引に復活させました。
しかも、以前の2ステージ制とは異なり、最大で5チームが参加可能となる、「Jリーグチャンピオンシップ」の開催です。
それぞれのステージの優勝チームに、年間での勝ち点上位3チームが参加して、差大で5チームで、年間チャンピオンを決めようというものです。
この方式の場合、仮に、今回ファーストステージを制覇した浦和レッズが、セカンドステージも制覇した場合、普通に考えて勝ち点も年間で1位のはず。
そこに2以下のチームで勝ち点順に2チームが進出して3チームでのチャンピオンシップが行われます。
これって、意味ありますか?
年間通じて最高の成績を収めたチームが、最悪の場合、リーグ戦後の1試合で1年間の努力と成果が無になる訳です・・・。
実にくだらない発想です。
最大で5チームが参加するとしても、なんとも分かりにくにシステムで、やる意味もあやふやな方式に、既存のJリーグですら批判的なのに、新規のファンが獲得出来るでしょうか?
Jリーグとしては、なんとしても観客数を増やして増収したい気持ちは分かりますが、これでは増員どころか減少に歯止めがかからない気がします。
2ステージ制復活はJIリーグのレベル低下にも繋がる
多くのサポーターが反対するなか、JIリーグ実行委員会は、強引に2ステージ制を復活させましたが、これがファン獲得に有効な手段でないと見る意見が、決定前に大多数を占めていました。
そもそも、そのようなファンの声を無視しての2ステージ制とは本末転倒です。
あまりにも愚かすぎてJリーグ実行委員会の存在そのものに、日本サッカー協会同様、改革が必要にすら思えます。
加えて、ステージ制復活で懸念されることに、Jリーグのレベル低下に繋がる可能性があるということ。
Jリーグが2ステージ制になり、Jリーグチャンピオンシップが行われるということは、最終的にそこで勝ったチームが年間チャンピオンなんです。
そうなれば、例えばファーストステージで優勝すれば、セカンドステージは、選手の状態をじっくり見ながら調整を進められます。
チャンピオンシップ出場は決まっているのですから、無理する必要はありませんし、試合自体もある程度流す場面も出てくるでしょう。
そうなれば、試合のものの質の低下に繋がるのは目に見えています。
いくらJリーグが常にベストを尽くすよう訴えても、最後に笑うためには、とても複雑で長い道のりが待っている以上、それ相応の戦略をもって各チームは戦わざる得ません。
そんな当たり前のことが分からないまま、2ステージ制を行ってなんのメリットがあるのでしょうか?
試合数が増えるということは、平日開催も増え、観客動員にも影響が出ます。
優勝の価値も下げ、試合の価値も下げてしまうようなシステムに、Jリーグの未来はありません。
付け焼き刃の対策しかできないJリーグ実行委員会とはなんの意味があるのでしょうか?
欧州リーグの今があるのは、長い歴史がそこにあります。
それを踏まえてJリーグは成長していかなければならないのに、
「2ステージ制はどうも面白くなかった」
「じゃ、世界基準に合わせましょう」
「でも収益を考えたら試合数を増やしたほうがいいので、2ステージ制に戻しましょう」
これでは全く持って信念がありません・・・。
誰のためのJリーグなのか?
そして日本サッカーの強化はどうなっていくのか?
今一度、Jリーグ実行委員会や日本サッカー協会には、目先の金だけにとらわれない視点で再考してもらいたいものです。
サポーターの声を直接耳にした村井チェアマンの心中は?
今回、ファーストステージで優勝した浦和レッズに、試合後に行われた表彰式に、チャンピオンシップの招待状を渡すために登場したJリーグの村井チェアマン。
その瞬間から、スタジアム中のサポーターが一斉に大ブーイングを浴びせました。
優勝セレモニー中での異様な光景からは、今季から復活したステージ制への怒りが爆発していることは誰の目にも明らかです。
村井チェアマンが姿を消すと、見事なまでにブーイングは止みました。
2ステージ制決定前の批判、そしてシーズン開幕後の批判。
さすがに状況を察したのか?
村井チェアマンは、今後、2ステージ制に関しての検証と総括を行う事を口にしました。
村井チェアマンは、「今後、Jリーグが魅力あるものに進化し続けていくためにも・・・」とコメントしていましたが、それならば会議室ではなく、もっとファンの声をしっかり受け止めてほしいと願います。