欧州チャンピオンズリーグ(通称CL)の準決勝、レアルマドリード対ユベントスの一戦は、適地サンチャゴベルナベウに乗り込んだユベントスが1対1の引き分けに持ち込み、12年ぶりの決勝に進みました。
第1戦に2対1で破れたレアルマドリード。
初戦のアウエーゲームで、ユベントスに2対1で破れているだけに、無失点であれば最少得点の1点で勝ち抜くことが出来る状態ではありましたが、イタリア特有の固い守備を前にPKの1点止まりでした。
このまま無失点で勝ちきればレアルマドリードの決勝進出でしたが、疲れの見える後半、元レアルマドリード所属のアルバロ・モラタにゴールを決められ同点となり試合はこのまま終了。
レアルはホームゲームでCL敗退となってしまいました。
アンチェロッティ采配の弊害?メンバー固定の悪影響
以前から言われていることとして、レアルマドリードのアンチェロッティ監督の采配への疑問があります。
それがメンバー固定問題。
特に今シーズンは顕著です。
シーズン序盤から公式戦22連勝を飾るなど、今のレアルマドリードにはどのチームも勝てないのでは?
と言われるくらいでした。
しかし、ひとたび連勝が止まると、その後は失速。
連勝中から懸念されていた、「メンバー固定」による弊害が徐々に顔を出し始めます。
試合中の接触などによる怪我は別として、明らかに疲労からと思われるけが人がでるなどしました。
疲れからパフォーマンスの落ちている選手でも、代えずに使い続けると意味不明の采配も続き、ついには、リーガでもバルセロナに首位を明け渡しました。
さすがに焦ったアンチェロッティは、スタメンを若干変更したり、試合中の選手交代を頻繁に行う様になりましたが、酷いときは、選手交代が一切ないといってもよい試合も多々ありました。(後半終了間際の交代のみ)
レアルマドリードのような欧州屈指の強豪クラブは、試合数も多く、特に今シーズンは、クラブワールドカップもありました。
銀河系軍団と称されるレアルマドリードですが、ターンオーバーという意識を持っていないアンチェロッティの前では「宝の持ち腐れ」状態でした。
ライバル争いが激しい以前の問題がそこにありますが、これがイタリア人監督の気質なのでしょうか?
過去に日本代表を率いた、ザッケローニ監督も、まさに同タイプ。
一度メンバーを決めたら、控え組はベンチを暖めるのが仕事でした。
両監督に共通するのは、選手を試すということがほとんどないこと。
イタリア人気質というと語弊があるかもしれませんが。
イタリア代表を率いた、リッピ監督のような状況に応じて積極的に動くタイプの監督もいますので・・・。
リーガで優勝出来なければアンチェロッティの解任もある?
CLの準決勝で敗退したレアルマドリードに取っては、CL通算優勝の更新が叶いませんでした。
チームにとってもサポーターにとっても、リーガの逆転優勝が是が非でも欲しいところ。
もし、リーガの優勝を逃せば、今シーズンのレアルは、クラブワールドカップのタイトルのみになります。
クラブワールドカップは、ある意味一発勝負に近いものがあるため、長いシーズンを戦い抜いたリーガやCLとはちょっと違う感じとも言えます。
是が非でも欲しいリーガのタイトルですが、現実は厳しく、バルセロナとの勝ち点差は4です。
残り試合は2試合です。
バルセロナが残り2試合連敗でもしてくれない限り、逆転優勝の可能性はほぼありません。
しかも、先日、スペインサッカー連盟が、政府の対応を巡り、ストライキ突入を示唆しています。(第37節から)
もしストライキが実行された場合、最悪は、そこでシーズン終了という展開もあります。
そうなれば、逆転どころかではありません。
以前から終盤に失速することが問題とされてきた、アンチェロッティ采配でのレアルマドリード。
選手との関係は良好と言われながらも、銀河系軍団としては、CLもリーガも取れないとなれば、このままアンチェロッティ体制と言う訳にはいかないようです。
クラブ首脳陣の信頼が落ちていると噂される中、レアルのペレス会長は解任説を否定していますが、今シーズン、実質無冠で終わるとなれば、手のひらを返してもおかしくないですね。
それ以前に、アンチェロッティが自らチーム去るという
展開もあるかもしれませんので、リーガストライキ問題と併せて、「アンチェロッティ解任問題」は、大きな注目をさらに集めそうです。