失礼ながら完全に格下と言ってよいシンガポール相手に、ホームで、しかもW杯ロシア大会のアジア2次予選の初戦という舞台で、1点も奪えずまさかの引き分けに終わった日本代表。
チームを率いる、ハリルホジッチ監督も、思わず「私のサッカー人生でこんな経験はしたことがない」と口にするほど、嘘のような結果となりました。
ハリルジャパン誕生後、親善試合では3連勝と快調に飛ばしていましたが、言わば本番でこの体たらくとあって、さすがに日本代表へは大ブーイングがサポーターやメディアからも起きています。
シンガポール相手に90分で1点も取れないなんて誰にも想像できなかったからに他なりません。
そのような事もあり、改めてささやかれる日本代表の「決定力不足」ですが、実際は、決定力が不足しているではなく、「試合を決める力が不足している」という指摘が出ており、なるほどなと思わせるものでした。
親善試合で得点を量産する日本、しかし真剣勝負ではもろさが?
かねてから、事ある毎に言われ続けている日本代表の決定力不足。
しかし、実際のデータを紐解くと、逆に日本の得点力・攻撃力は、かなり高いものだということが出ています。
日本代表の過去30試合のゴール数は59。
1試合あたりの平均としては、1.96となります。
アジアのライバル、韓国の場合で、1.16になります。
美しい攻撃でサッカーファンを魅了する、スペイン代表で、1試合平均1.4得点です。
対戦相手の違いもあるため一概には言えませんが、特別日本が得点力が低い訳ではないのは明らかです。
では、なぜここまで決定力不足と嘆かれるのかと言えば、理由は一つ。
勝たなければならない真剣勝負の場であまりにも点が取れないから。
それだけです・・・。
親善試合については、先日のイラク戦に挑む直前の本田圭祐選手が「練習試合」と口にしています。
そう選手も分かっているのです。
それでも、親善試合で楽な相手だと傍目にも明らかにも関わらずゴールを上げて大喜びする選手たち。
そして、いざ本番となったときに、そのイメージのままで入ってしまい、ガチでくる相手に戸惑ってしまう。
日本代表は、その繰り返しです。
本当に結果が求められると、思うようにいかずテンパってしまう。
まさに日本代表の悪しき習慣です。
本当の意味で、そこを選手にしっかり気づかせてくれる指導者が、まずは求められるのはないでしょうか?
それがハリルホジッチ監督なのかどうかは、今後の試合で見極める必要がありますが、当然のことながら、我々サポーターや、マスコミが、日本代表を甘やかさず、時に厳しい目で見守りことが求められているのです。
決定力不足ではなく試合を決める力をつけること。
実にシンプルなお題でありながら、最も過酷なお題でもありますが、果たしてハリルホジッチ監督は日本代表に変化をもたらしてくれるのでしょうか?
まだアジア予選は始まったばかりなので、期待を込めて、もう暫く見守る必要があるのではないでしょうか。