12月18日にまさかの組み合わせで行なわれた「FIFAクラブワールドカップ」の決勝戦。
開催国枠で出場の鹿島アントラーズが欧州王者のレアルマドリードと対戦した試合は、試合開始序盤に早くもレアルが先制する予想された展開になるも、前半終了間際に柴崎の同点ゴールで試合を振り出しに戻すと、後半に入りまたも柴崎がゴールを決め逆転。
微妙な判定のPKによりレアルが同点追いつき、試合はまさかの延長戦へと進みました。
結果的に延長前半にロナウドが2ゴールを挙げてレアルがそのまま逃げ切り、4対2というスコアでクラブワールドカップの覇者は欧州王者のレアルマドリードとなりました。
延長戦に入ってもここぞという時にはチーム全体がスピードを上げ、スペースを見つけ絶妙のポジショニングを取るレアルの選手に対し、試合開始から飛ばし続けた鹿島の選手達はついていけない場面が目立ち始めました。
このあたりが、善戦はできても勝利には繋げられない決定的な差が欧州サッカーとはまだまだあるのだと感じさせてくれシーンだったように思えました。
強豪レアル相手に魅せた鹿島の24歳に欧州も熱い視線か?
(出典:http://mainichi.jp/articles/20161219/k00/00m/050/045000c)
しかし、例えそうだったとしても、鹿島の10番、柴崎岳がレアルマドリードのディフェンスを交わし2度のゴールを奪った事。
DFの昌子源がレアルのエース、C・ロナウドを抑える場面が度々あった事。
これらもまた事実でした。
柴崎も昌子も共に24歳。
今回のクラブワールドカップ、そしてレアルマドリードとの決勝戦で残したインパクトは、今後の欧州クラブからのオファーへと繋がる可能性を感じさせれくれました。
それを証明するかのように、スペインのメディアには柴崎の2ゴールについて驚きの声をもって現地で報道を行なっています。
「レアルマドリードから2つのゴールを奪う選手が、アジアのクラブでは2億5千万の市場価値としか見られていない」
このように、紹介しています。
相手を振り切って左足で2度も決めたゴールがいかに大きな衝撃であったかを感じさせてくれます。
こういった世界が注目する大会で結果を出した選手が欧州で戦うチャンスを得られれば、それもまた日本サッカーの強化へと繋がっていくことでしょう。
欧州や南米のトップ選手で構成されたレアルマドリードと後半途中まで日本人のみであった鹿島アントラーズ。
それでも欧州のトップクラブを本気にさせたという現実。
これもまたサッカーの醍醐味なのかもしれません。
せっかくの好ゲームを台無しにした主審の疑惑の判定
(出典:http://www.football-zone.net/archives/48415)
鹿島アントラーズ対レアルマドリードの一戦は、レアルを本気にさせガチの試合となったことで面白い展開にも繋がりました。
もしかして鹿島アントラーズがレアルマドリードに勝利するのではないかという気配を感じさせるくらいでした。
しかし、そんな白熱したゲームをザンビアのジャニー・シカズウェ主審が疑惑の判定で微妙な空気にしてしまいました。
後半のレアルが同点に追いついたPKへと繋がったペナルティエリア内でのファールについては、肉眼では微妙なものでしたが、その場面のリプレイを見る限りはファールであったのは事実でした。
見た目に微妙なので、今大会から正式採用された「ビデオ・アシスタント・レフェリー」が行なわれてもおかしくない場面でしたが、主審は行ないませんでした。
実際にファールを取られてもおかしくはないシーンだけにここは致し方ないとしても、どうにも納得がいかなかったのは、後半の終了間際にカウンターを仕掛けた鹿島の金崎を後方からのファールで攻撃の流れを切ったレアルのセルヒオ・ラモスに対する判定です。
金崎がラモスからファールを受けた直後、主審は胸ポケットからイエローカードを取り出す仕草を見せました。
鹿島アントラーズの攻撃のチャンスだっただけに、後方からのチャージにイエローカードが出てもおかしくない場面。
しかしなぜか主審は手にしたカードを引っ込めました。
これには、鹿島の選手達も激高して主審に詰め寄りましたが、ラモスにこの試合で2枚目のイエローカードが提示される事はありませんでした。
そう、本来であればセルヒオ・ラモスは2枚目のイエローでレッドカードを提示されて退場処分となるはずだったのです。
これには、世界中のメディアからも批判の声が上がり、レアルの本拠地であるスペインのメディアでさえも疑惑の判定として伝え、ラモスに2枚目のイエローを提示し退場にすべき場面だったとしています。
世界中に中継されている大一番でザンビアのジャニー・シカズウェ主審が見せた不自然な動きは、あまりにも怪しくレアルマドリードに優位に働いたことは否定できません。
「レアルがノーマークの日本のクラブ負けるかもしれない」
このザンビアの主審にはそんな意識が働いたのでしょうか?
この場面についてはFIFAが介入し、ジャニー・シカズウェ主審に説明をさせてもよいくらいです。
このような奇妙な判定によって、延長戦で2ゴールを挙げ、試合を通じてハットトリックを決めたロナウドの印象は薄まり、せっかく大きな盛り上がりをみせたクラブW杯決勝の舞台において微妙な空気を残してしまったのは残念でなりません。
そもそもなぜFIFA主催のビックマッチで、このようなザンビアの主審が選ばれたのでしょう?
こういった試合では、ワールドカップの決勝のように審判として高い実績をもち、公平なジャッジが出来るレフェリーを選択すべきです。
ちなみに、このジャニー・シカズウェ主審は、この後の場面でラモスのチャージよりも軽めのシーンで2度もイエローカードを出しています。
もはやレフェリングが破綻しています。
今更なにを言っても仕方ありませんが、もしあの場面でラモスが退場していたら、延長戦は全く別の展開になっていたのかもしれません。
ザンビアの主審の一つ判定が白熱した試合を微妙な空気にしてしまったのは本当に残念でした。
ただ、それを差し引いても鹿島アントラーズがレアルを本気にさせ、欧州のビッククラブと真剣勝負できたのは日本のサッカーにとって大きな一歩だったのは間違いないでしょう。