なでしこジャパンとワールドカップの決勝戦進出を懸けて戦ったイングランド。
これまで4戦戦って一度も勝利をした事がないイングランドとの試合は、予想通りの激闘となり、イングランド伝統のロングボールに度々苦しめられた、なでしこジャパン。
しかし、誰もが延長戦突入と思った、後半のアディショナルタイム。
川澄が絶妙のタイミングで上げたクロスボールを、懸命に足を伸ばしてクリアしようとした、イングランドのローラ・バセットの足の当たったボールは、無情にも自陣のゴールへと吸い込まれました。
結局、試合はこのオウンゴールが決勝点となり、なでしこジャパンは、イングランドから初勝利を上げると同時に、ワールドカップで2大会連続の決勝進出となりました。
ローラ・バセットのオウンゴールは一生懸命やった結果
今大会で、初の決勝進出も見えるところまで躍進した、世界ランク6位のイングランド。
相性の良い日本相手に、まさかの結末を迎えて、選手たちは、ただ呆然とするしかありませんでした。
そんな中でも、なでしこに決勝点となるオウンゴールを決めてしまった、ローラ・バセットは試合終了直後から泣き崩れてしまい、監督や他の選手に慰められる様子が、テレビでも映し出されていました。
あの場面、日本の川澄の右サイドからのクロスは、絶妙のタイミングで、ゴール前に走りこんでいた、大儀見ドンピシャのボールが送られたのは間違いありませんでした。
もしあの場面、ローラ・バセットの足が届かなかったとしたら、大儀見のゴールが決まっていた可能性は高かったと思われます。
たらればの話にはなってしまいますが、オウンゴールになってしまったのは、ローラ・バセットにとっては、不運としか言う他ありません。
勝つために一生懸命戦った結果のオウンゴール。
あの場面を誰を責めることなど出来ないはずです。
個人的にも、試合終了直後は、なでしこジャパンの勝利を素直に喜ぶ事が出来ませんでした・・・。
イングランドを率いた、サンプトン監督の試合後のコメントをここで御紹介致しておきたいと思います。
泣いてもいいんだ、選手たちはピッチにすべてを老いてきた。ローラ・バセットは、今大会のイングランドを象徴する選手だった。勇敢で力強く、チームを一つにまとめていた。最後は残酷な結果になってしまったが、英雄としてみんなの記憶に残るはずだ。
サンプトン監督は、ローラ・バセットを称える事を忘れませんでした。
オウンゴールはミスなのか?
オウンゴールと言えば、通常、ミスというイメージが一般的です。
確かに、凡ミスから自陣のゴールへボールを入れてしまったケースも沢山あります。
ゴールの最後の砦、ゴールキーパーですら、キャッチングやスローイングをしようとしてミスから失点することもあります。
確かに、オウンゴールにはミスと言われても仕方ないケースもあります。
場合によっては、爆笑ハプニング映像といったバラエティ番組でも取り上げられ事もありましす。
しかし、中には笑って済まされなかったオウンゴールもサッカーの歴史にはありました。
それが、男子のワールドカップアメリカ大会での事でした。
コロンビア代表のエスコバル選手が、開催国アメリカとの一次ラウンドで、オウンゴールを献上しました。
試合そのものは、オウンゴールが決勝点になった訳ではありませんでしたが、結果的にアメリカ戦での敗戦で、コロンビアは一次リーグ敗退が決まりました。
この試合後からコロンビア国内では、代表チームに対する非難が殺到し、報復を予告するものも現れました。
そのため、多くの代表選手が帰国を見送りアメリカに残る中、オウンゴールを与えてしまったエスコバルは、「ファンやマスコミに説明する義務がある」と帰国したのです。
その結果が、有名な「エスコバルの悲劇」へと繋がりました。
オウンゴールは時として、試合そのものを決めてしまったケースもありますが、しかし、ミスと呼ぶにはあまりにも理不尽なケースもあります。
まさに、今回の、なでしこジャパンと対戦したイングランドのローラ・バセットがそうです。
あの暑さの中、後半のアディショナルタイムでの懸命なプレーの結果が、運悪く自陣のゴールへとボールが吸い込まれてしまったのです。
イングランドの選手やサポーターも、ここまで勝ち上がってきて負けた悔しさ悲しさは、計り知れないものがあるでしょう。
しかし、誰もローラ・バセットのプレーを責めたりはしません。
不幸にも彼女の懸命なプレーが試合を決することにはなってしまいましたが、チームメイトは、ローラ・バセットを称え、今一度気持ちを奮い立たせ、チームとして、ワールドカップ初のメダル獲得のために、ドイツとの3位決定戦に向うことでしょう。
最後に、元イングランド代表FWのリネカーが、自身のTwitterで、この試合について、「イングランド女子代表は素晴らしかった。顔を上げてほしい。」投稿していることを御紹介しておきます。
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