FIFAが2026年W杯から本大会48ヶ国に出場枠を拡大する事を決定で質は大丈夫?

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FIFAが、4年に1度開催されるサッカーのワールドカップ本大会への出場枠について、2026年大会(開催国未定)から、現行の32ヶ国から48ヶ国へと大幅に拡大する事を決定しました。

これにより、これまでの4ヶ国を1つのグループとしていたものが、3ヶ国ずつの全16グループへと変ります。

決勝トーナメントへは、3ヶ国中2ヶ国が進出できることになり、32もの国で一発勝負のトーナメント戦へと様相が変わる事になります。

このため、試合数の増加が懸念されますが、そこについては、現行の32ヶ国での日程の場合、決勝まで進んだ国は最大で7試合となりますが、48ヶ国になった場合でも、最大試合数は開催ルールの変更によりありません。

とはいえ、ワールドカップ本大会全体での試合数に関しては、参加国が大幅に増える事で、64試合から80試合となり、まさにFIFAにとっては大会で得られる収益が増加するという金に群がる人達にとってはメリットだらけとなります・・・。

参加国拡大が大会のレベルを落とす危険性も

FIFAにとっては、開催期間や1ヶ国の最大試合数は変らずに総試合数を増やす事で、より高い収益を上げつつ、参加国拡大に否定的な欧州各国へ配慮をした格好なのだと思います。

しかし、本大会への出場枠が、一気に16ヶ国も増えるということは、世界一を決めるワールドカップの本大会の質を落とす懸念がどうしてもでてきます。

これまでも、多くの大会ではアジア勢の不甲斐ない戦いによって、アジア枠の削減と欧州枠の増加を望む声はありましたが、さらにその不満を増大させる可能性が出てきます。

なぜなら、現時点で正式決定ではないものの、各大陸のW杯本大会出場枠について、仮合意したとされているのが以下のようなものです。

欧州 16ヶ国
南米 6.5ヶ国
アフリカ 9.5ヶ国
北中米カリブ海 6.5ヶ国
アジア 8.5ヶ国

このような割当のようです。

例えば、現行のアジア枠は、4.5ヶ国となっています。

一気に4ヶ国も増加することになります。

当然、他の大陸も増加とはなりますが、それがそのまま大会の質に影響する事は疑いようがない事実です。

ポジティブに捉えれば、弱小国が強豪国と戦う事で、自国のサッカーレベルを上げる効果が期待できるというメリットが出てきます。

しかし、それでもあえて言いたいのは、本大会で高いレベルのチームがしのぎを削る勝負が見たいというのが正直なところでもあります。

4年に1回の大会です。

参加国が大幅に増加すると言う事は、レベルの差がより激しい国が戦う事を意味します。

そんな試合をワールドカップの本大会で見たいとはどうしても思えないのです。

確かに、昨年のクラブワールドカップでは、開催国枠として出場した「鹿島アントラーズ」が、欧州王者の「レアル・マドリード」からあわや大金星というところまで追いつめるゲームを展開し、日本のみならず世界に衝撃を与えました。

2026年のワールドカップから、もしかしたらそのような下克上が増えるのかもしれません。

また、これまで後一歩で本大会出場を逃してきた国にとっては大きなチャンスとなります。

それでも、ワールドカップは特別な大会であるべきだとあえて言いたいのです。

より高いレベルの戦いが見れる最高の舞台であってほしいと思わずにはいられません。

参加国拡大に消極的な欧州からスペインLFPがFIFAを提訴?

lfp

(出典:http://www.wowow.co.jp/sports/liga/)

 

ワールドカップの出場枠拡大については、ある程度予想されてはいたものの、案の定、欧州から早くも動きがありました。

真っ先に動いたのは、今や世界最高峰の攻撃的サッカーで人気のリーグ、「リーガエスパニョーラ」のプロリーグ部門である、スペインプロリーグ機構(通称 LFP)が、FIFAを提訴すると現地メディアが報じています。

その理由は、出場国が16ヶ国も増加することで、大会の総試合数も16試合も増えることなどがあるのは察することができます。

ただでさえ、欧州各国では国内リーグが閉幕した後であり、欧州CLなども重なる日程から疲労が蓄積した状態のままワールドカップを迎える選手が少なくありません。

W杯本大会で怪我をしてクラブので次シーズンの開幕に間に合わないといった問題が毎回のようにあるのはご存知の通り。

FIFAは、1チームの最大試合数は変らないというものの、開催国によっては試合数が増えれば、会場の問題(移動や試合時間)などもあり、これまでに以上に疲労が蓄積する懸念があるのは当然かもしれません。

各国のクラブにとって重要な選手をワールドカップに送り出すと言う事は、リスクが伴うという考えが少なからずあるのも事実です。

このような事もあり、スペインに限らず、FIFAと欧州各国のせめぎ合いが繰り広げられる可能性はあります。

FIFAにとっては、莫大な金を生むイベントでしかなくなってしまったワールドカップ。

クラブワールドカップの大会方式もしかりですが、選手を物(商品?部品?)としてしかみない傾向は、個人的にも賛同はできません。

いずれにしても、暫くは欧州各国の動きを注視しておく必要はありそうですね。

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