平井伯昌の練習メニューとは?北島や星を育てた選手に限界を破らせる方法

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2015年の世界水泳(ロシア)で、競泳の200mバタフライ決勝に登場した星奈津美が、日本人女子としては初の大会金金メダルを獲得しました。
 
星奈津美は、ロンドン五輪に続くメダル獲得が期待されていましたが、1番上のメダルを見事手に入れました。
 
 
星奈津美は、世界水泳ではこれまで後一歩のところでメダルに手が届かなかっただけに、ようやく手に入れたメダルが「金」ということでうれし涙を隠せませんでした。
 
 
そんな星奈津美を指導しているコーチと言えば、かつて北島康介、昨年からは萩野公介の指導もしている、平井伯昌コーチです。
 
ロンドンオリンピックでは、競泳の日本代表ヘッドコーチを努めた平井伯昌コーチ。
 
 
北島康介、萩野公介、そして、今回金メダルを獲得した、星奈津美を勝てる選手へと育てた、練習メニューとはどういったものだったのでしょう・・・。
 
 

平井伯昌コーチの練習メニューの基本は課題克服法の提示?

 
平井伯昌コーチが選手を指導する際の基本理念としてあるのが、「人間教育」というものがあります。
 
オリンピックが期待されるレベルの選手程、長い時間をかけて選手の成長と向き合うため、言って見れば、選手達の親よりも一緒にいる時間が長いことも少なくありません。
 
 
そのため、早くなる、上手くなる事と同時に、人としての教育を意識して、平井伯昌コーチは指導にあたっているそうです。
 
平井伯昌コーチが口にするのは、選手に練習をさせて、頑張らせて速く泳げる様にする、必ずしもそういうことでないということ。
 
 
彼のコーチングは、選手の夢を実現させてあげるためのサポートという思いが根底にあり、あくまでその手段として、選手ごとに、どこを修正すれば今より速くなるのか?
 
 
そこから、課題の克服方法などを手順に落とし込むことで、練習メニューを決めているそうです。
 
平井伯昌コーチは、選手自身が自らの課題を認識し、常に意識をして練習に取り組むという流れを作る指導方法で、数々の選手をメダリストへと導いています。
 
 

選手自らが気づくように導く平井伯昌流の指導

 
平井伯昌の指導は、選手への問いかけに始まり、ビデオ映像なども見ながら、選手自身がどのように練習をしていくのが今より速く泳げるかといったことを、気づかせるように持って行くやり方です。
 
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平井伯昌コーチが選手を指導する際に意識しているのは、かつての北島康介がそうであったように、コーチがいらないような選手になってもらうことだそうです。
 
北島康介を指導しているときに、当初はあそこまでいけるとは思っていなかったそうで、その姿を見て思う事があったようです。
 
 
平井伯昌コーチが選手の練習メニューを決める際には、答え(目標)に対する式(練習)が手段や方法にあたるということがあります。
 
まずはその方程式を作成し、その上で、選手ごとに毎年のように方程式を変えることもあるそうです。
 
 
要は、その時その時で、選手それぞれの方法論を模索し、最適な練習を用意するのです。
 
 

平井伯昌コーチ究極の目標は選手自身が気づいていない本質を見抜く事

 
選手によって得意な種目というのがありますが、平井伯昌コーチは究極の目標として、選手本人が気づいていない本質を見抜くことを上げています。
 
かつて指導した北島康介も、元々はスプリンタータイプで、彼自身も50m、100mの選手だと自らの得意な居場所を持っていました。
 
 
しかし、平井伯昌コーチが指導して行く中で、北島康介が得意ではないと思われていた、200mで勝てると見極めています。
 
結果的に北島康介の選手としての幅も広がり、あの活躍に繋がっています。
 
 
おなじ選手を長く指導して行く中では、水泳以外のことや選手の性格なども見て行く必要があり、その課程で、選手がどれくらい成長出来るかを予測していくことが平井伯昌のコーチングなのです。
 
 

平井伯昌コーチの練習メニューの根底にあるのは選手自ら限界を破らせる事

 
平井伯昌コーチは、常日頃から「常識をうのみにしない」というものがあります。
 
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こういうものだという固定概念を捨て、まずは疑って考えることから始めます。
 
 
一般的に、日本人に合うのはこういう指導という考えや、妙な常識に当てはめて出来る出来ないを決めつけたりすることを平井伯昌コーチは絶対にしないそうです。
 
 
選手自身が「自分はこうだ」というものがあっても、実は別の見方が出来るのではないかと考え、それを選手に気づかせる。
 
それが平井伯昌コーチ自身、役目だと意識していることだそうです。
 
 
平井伯昌コーチは、普通ならという意識で練習メニューを組んでいたとしたら、北島康介をあそこまで活躍できるメダリストに成長させることが出来なかったと言います。
 
 
平井伯昌コーチの流儀として、自らも選手に対しても「限界に目を向けない事」があります。
 
 
世の中の常識をベースにしていたら、本当はもっと出来る、実は今までとは違う選手の良さを引き出せるという考えには至らなかったと平井伯昌コーチは口にしています。
 
 
平井伯昌コーチは、「物事にはセオリーがありますが、ただ変な常識や限界は考えない」と言います。
 
選手ごとに持っている才能や最大限に発揮できる能力は違います。
 
 
特定の常識に当てはめてしまうと、自ずと限界を意識してしまうため、コーチングもそこで止まってしまいチャレンジができなくなることになります。
 
そのため、まずは平井伯昌コーチ自身が指導の限界を作らないように心がけているのです。
 
 
そうすることで、選手をより良く伸ばすことに繋がり、指導も楽しくなると。
 
 
挑戦するのは選手だけでなく、コーチもチャンレンジャーであること、それが結果的に「選手に限界を破らせる」ということになります。
 
平井伯昌の練習メニューというか、それを決める前、そして進めて行く中で、新たな可能性を模索する、引き出すことが、平井伯昌コーチの選手の育て方なのでしょう。
 
 
今回、星奈津美が金メダルを獲得したことで、2016年のリオデジャネイロオリンピックの代表を内定させることが出来ました。
 
ここからまた、平井伯昌コーチと共に、オリンピックに向けて限界を突破するためのスタートが切られるのではないでしょうか。
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